知っていますか?糖尿病の恐ろしさ
日本人の約6人に1人が糖尿病で、さらに60歳以上だと5人に1人が糖尿病です。
糖尿病患者の4人に1人は治療を受けていません。
糖尿病は透析原因の第1位、失明原因の第2位です。
糖尿病は、癌・心筋梗塞・脳梗塞・肺炎などの命に関わる病を引き起こします。
糖尿病にかかっている人はそうでない人に比べて平均10年ほど寿命が短いです。
世界では糖尿病により、30秒間に1人の足が切断されています。
糖尿病とは
膵臓から分泌されるインスリンの作用不足により慢性的な高血糖を来す病気です。高血糖が持続することにより様々な合併症を起こす危険性が高まります。ほとんどは自覚症状が乏しく、中等度以上の高血糖が続いた場合に特徴ある症状(口喝・多飲・多尿・体重減少など)が出てきます。症状が乏しいため、中には合併症が進んだ場合に出てくる症状(視力低下・足のしびれ・歩行時下肢痛・勃起障害・便秘・下痢・足潰瘍・壊疽など)で、初めて糖尿病が発覚する場合もあります。
糖尿病の主な症状
□喉が渇く(高血糖症状)
□水をよく飲んでしまう(高血糖症状)
□尿の回数や量が増えた(高血糖症状)
□体重が減った(高血糖症状)
□全身がだるく、疲れやすくなった
□視力が低下してきた(目の合併症)
□足がしびれている(神経の合併症)
□足がむくむ(腎臓の合併症)
□立ちくらみがする(神経の合併症)
1型糖尿病(糖尿病全体の5%くらい)
体内でインスリンを分泌する唯一の細胞である膵β細胞が何らかの理由により破壊され、インスリン分泌が枯渇して発症する糖尿病です。発症年齢としては思春期頃がピークになりますが、中高年に発症することもあります。生きていく上ではインスリン注射が必要です。食事療法というより、食事に合わせてインスリン注射を合わせていくことが大事です。インスリンポンプや持続血糖測定のようなデバイスも進歩しているため、ご相談ください。
2型糖尿病(糖尿病全体の90%以上)
インスリン抵抗性(インスリンが効きにくいこと)とインスリン分泌障害(インスリンが出にくいこと)が相互に関連して発症する糖尿病で、糖尿病の大部分がこの2型糖尿病です。インスリン抵抗性は、過食・運動不足から肥満や内臓脂肪蓄積の増加により引き起こされます。このインスリン抵抗性により更に膵臓が血糖を下げようと頑張り過ぎることで、最終的に膵臓が疲弊してインスリン分泌障害にも繋がります。また、日本人は欧米人に比べてインスリン分泌が2分の1とインスリン分泌低下体質を持っていることから、食事・運動がしっかりできている方でも糖尿病を発症する可能性があるため注意が必要です。
その他の糖尿病
妊娠中を契機に発症する妊娠糖尿病、遺伝子異常による糖尿病、肝臓や膵臓の病気による糖尿病、薬(ステロイド・抗精神病薬など)による糖尿病があります。
糖尿病の合併症
糖尿病になると問題となるのは下記のような合併症です。
その合併症を予防するためには食事・運動の管理が必要となります。バランスの良い食事をとる・間食を控える・お酒を控える・適度な運動をするなど口で言うことは簡単ですが、ずっと続けていくためには相当な努力が必要です。そのため、私たちは糖尿病チームとして現実的に可能な食事・運動療法を患者さんと一緒に考え、無理のない健康生活を実現していけるようなサポートを行います。それでも血糖コントロールが目標に届かない場合、もしくは血糖が非常に高い場合には血糖を下げるための効果的な薬の処方を提案いたします。
糖尿病の治療
インスリンポンプ
インスリンポンプとは皮下に留置したカニューレを通して持続的に注入する方法です。ペン型注射器では1日に1~4回の注射を行いますが、インスリンポンプでは3日に1回の注射へ減らすことができます。
携帯することができ、細かな調整が可能となるため、様々な生活スタイルに対応しやすくなります。
ミニメドTM770Gシステム(ハイブリッドクローズドループ:Hybrid Closed Loop)
「スマートガードTMオートモード」が搭載されており、トランスミッタより5分ごとに得られるグルコース値に合わせて、システムが基礎インスリンを(120mg/dlを目標に)自動調整します。さらには、糖質量を入力することで、システムが必要な追加インスリン量を見積もります。アプリ使用にてスマートフォンなどのモバイル機器でインスリンポンプのデータの閲覧もできます。
メディセーフウィズ
パッチ式のインスリンポンプ。チューブフリーのため、チューブが引っかかる心配もなく、装着中のストレスが少ないです。タッチパネル式のリモコンを使い、基礎投与(ベーサル)や追加投与(ボーラス)を行えます。
血糖測定(リブレフラッシュグルコースモニタリング)
手のひらサイズの測定結果を読み取るリーダーと腕に貼り付けたセンサーで、間質液グルコースを測定し、血糖の把握ができます。厳密に言うと血液の糖(血糖)とは異なりますが、間質液グルコース値は血糖値の信頼できる指標とされています。従来、ご自身で血糖測定をするためには、指先に針を刺して測定する必要がありました。
この方法では、1型糖尿病、2型糖尿病を問わず、糖尿病疾患のある患者さま個々が在宅で使用できるようにデザインされており、腕に貼り付けたセンサーに機械をかざすだけで血糖値を測定できます。測定方法はリアルタイムに血糖値がわかるものと、最長14日間センサーを付けていただいた上で来院していただきデータを出力するものがあります。当院でも行っておりますので、ご相談ください。